中高宗教科資料集

感謝のことば

特別企画Ⅰ担当理事  稲葉 景

 

 すでに会員の皆さまにはお送りさせていただきましたが、長い間企画をしておりました『福音み〜つけた!−−「宗教」「倫理」を考えるために—中学編』・『福音み〜つけた!−−「宗教」「倫理」を考えるために—高校編』の2冊が2016年10月に完成いたしました。

 カトリック学校の宗教や倫理の授業には教科書がないため、司祭・修道者の少なくなった中高の現場ではそれぞれの宗教科教員が独自で授業を作っているが、特に新任教員の負担を考えると教科書としても使うことのできる資料集が必要ではないか。長年、養成塾や宗教科教員ワークショップで多くの宗教科教員を支えていらっしゃった土屋至先生の熱き思いです。この思いをかたちにするため、カトリック学校で使用する宗教・倫理資料集の作成が企画され、2011学会年度に特別企画Ⅰとして全国理事会で承認されました。その後、2013学会年度に企画に関するアンケートを実施、2014学会年度に燦葉出版社(編集・合同会社「悠」)に企画を依頼、理事会より土屋至理事、桑原直己理事、夏秋英房理事、吉岡昌紀理事、そして稲葉が編集委員として編集にかかわらせていただきました。そして、会員の先生がたや宗教科ワークショップの参加者の先生がたに執筆や校正等のご協力を得ながら、とうとう2017学会年度での完成を迎えることとなりました。

 この資料集が完成したことに大きな喜びと安堵を感じるとともに、この資料集から新しい《福音》がカトリック学校のなかで広がっていくことをこころから祈っております。

 お忙しいなかご協力いただきました執筆者の皆さま、協力者の皆さま、企画の意図をご理解いただきご協力くださいました燦葉出版の皆さま、編集にギリギリまでお付き合いをいただきました合同会社「悠」鵜飼恵里香様、そして編集幹事の中村真理様、編集委員を代表して、これまで支えていただきましたすべてのかたに感謝の言葉を述べさせていただきたいと思います。誠にありがとうございました。

 

 

 

本の紹介

この本に暑き思いを添え、満を持してお届けします

編集チーム主査  土屋 至

 

 皆さんは《福音》という言葉を聞いて、どのような意味やイメージやフィーリングを思い描くでしょうか?

 「宗教くさい」「キリスト教だけに通じる言葉」って思い浮かべる人が多いかもしれません。でもほんとうは《福音》とはgood newsつまり「いい知らせ」「良き便り」を意味する言葉です。

 聖書の中のイエスの行いや言葉を記した4つの書を「福音書」と呼ぶことは皆さんもご存じでしょう。イエスの言葉や行いは当時の人たちだけではなく現在に生きる私たちにとっても決して古くなることのない《福音》であると確信しています。

 でも《福音》はキリスト教や教会の独占物ではありません。キリスト教とかかわりのないところにもあるいは教会の外にも《福音》は探せばたくさんあります。

 この話を聞くと心があたたかくなるとか、この詩を読むと元気が出てくるとか、この祈りをすると心が癒されるとか、この話を読んでとても感動したとか、この話をもっと多くの人に知ってもらいたいとか、そういう思いのする詩や祈りの言葉や話をここに集めてみました。

 私たちは「宗教」「倫理」の授業が、このような《福音》を聖書から、身の回りから、あるいは世界から見つけ出し、味わい、さらにそれを世界に向けて発信し、多くの人と分かち合うことができるようになるための授業にしたいと思っています。

 そのような授業を作るためのよき助けとなる曜日、いまここに満を持して『福音み〜つけた!』をみなさんのもとにお届けします。

(はじめのことばより)

 

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